かえでシロップ
(番外編)じゃれあいたいふたり

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 悦びの余韻を色濃く残す身体は、ひどく気怠い。シーツの上に乱れた息をこぼしながら、楓は自分の中を埋めていたものがぬるりと出ていくのを感じた。
 ーーまだいいのに……。
 亨がスキンを外すのをぼんやりと眺める。ただ捨てるのはもったいなく思えて、端をくくろうとするのを止める。
 「……待って。かけて、それ」
 「これ? 好きだね、楓は。今日はどこがいいの?」
 「お腹」
 「この辺?」
 臍の辺りに手が置かれる。
 「もっと下……」
 その手を掴み、薄い繁みのすぐ上あたりまで滑らせる。
 「わかった」
 スキンにたっぷり溜まったものが下腹部にぼたりと降る。亨はそれを、楓の出したものと混ぜながら塗り広げていく。行為を終えたばかりで敏感になったままの肌はまた熱を持ち、肌の下の深いところがきゅっと収縮して甘ったるく疼く。
 「楓の女の子の場所があるとこだね」
 「……うん」
 「女の子の場所と男の子の部分がこんなに近いのも、なんか不思議な感じ」
 彼の長い指が下腹部からさらに下、縮れた繁みの中をゆっくりとたどっていき、今は柔らかい股ぐらのものをするりとなぞる。
 「……あ」
 「今、女の子と男の子、どっちが感じた?」
 「わかんない……」
 「じゃあもう一回」
 彼の指がまた同じ道をたどる。さきほどよりやや強い波が来て、背をわずかにそらせ身を捩らせた。
 「だめ。またしたくなる……」
 「しようよ」
 「明日休みじゃないし」
 「楓は何にもしなくていいよ。全部してあげるから」
 「感じすぎたらそれだけで疲れるんだもん……」
 「そんなこと言われたら、余計に頑張りたくなるなあ」
 彼の欲の昂りは匂いでわかる。濃くなる匂いに呼応して、楓の匂いもまた強くなるらしい。その匂いの強さがまた彼を昂らせてしまう。
 指はさらに下って、しっとりとした袋をつついたあと、滴の垂れる尻の窄まりへとたどり着く。とんとんと叩かれるだけで、指など容易く受け入れそうになってしまう浅ましい穴。力を入れてきゅっと閉じさせる。
 「だめだって……」
 「言ってることとやってること、あってない」
 両足が勝手に亨を離すまいと纏わりつく。いつだって正直な身体。恥ずかしい。でも、もっとたくさん気持ちいいのが欲しい。
 「何も考えずに俺に任せとけばいいよ」
 内ももを舌が這い、全身がまた生温い沼に中に引きずり込まれていく。この沼の底はものすごく熱いのだ。知っている。この人が教えてくれたから。
 今夜はまだもう少し、潜っていよう。深く、深く。

(番外編)じゃれあいたいふたり 了



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